心の病気が原因で皮膚をむしってしまう「皮膚むしり症」とは?
公開日:2015/12/25 / 最終更新日:2015/12/25
顔にできたニキビをつぶしてしまったり、つい強く皮膚をかいて傷ができてしまったという経験はたいてい誰にでも覚えあるのではないでしょうか。
しかし頻繁に自分の皮膚をむしり傷つけ、その行為を自制することができな場合には「皮膚むしり症」という心の病気を発症している可能性も。
一般的にはあまり知られていない「皮膚むしり症」の原因や症状、治療方法について紹介していきます。
皮膚むしり症の原因・症状とは?
その名の通り自分の皮膚をむしり、肌を強く傷つけてしまうのが「皮膚むしり症」です。
この病気は強迫障害の一種で、発症するのはそのほとんどが女性です。思春期前後に始まることが多く、学校の対人関係や家庭環境・母親との関係悪化などによるストレスで発症・悪化することが多くなっています。
「肌をむしるほど強く傷つけることを止めることができない」という症状がでるのが特徴です。「爪を噛む」「指先のささくれを時々いじる」ていどではこの病気に該当することはありませんが、悪化する恐れもあるので注意は必要です。
この病気にかかると皮膚をむしることを自制することができなため、むしられた部分は出血が伴い、傷跡が残ってしまったり、細菌感染を起こし深刻な肌の損傷を起こしてしまうことも。
そしてむしっている最中は、「気持ちが軽くなる」といった感情を持つ場合も多いのですが、行為が終わった後は「こんなことをしてしまって恥ずかしい…」と罪悪感を感じ落ち込んでしまったり、激しい自己嫌悪に陥るという傾向もあります。
また、むしった後を隠すために厚着をする、メイクなどを濃くして人目につかないよう工夫するという行動が見られたり、誰かに見つけられることを恐れ、外出をしなくなってしまう場合もあります。
むしる行為を自制するには? 「皮膚むしり症」を治すためにできること
肌をむしる行為をストップすることができないで自分を責め、よりネガティブな精神状態になり症状の悪化を助長してしまう「皮膚むしり症」。
むしった傷跡は外用薬で治すことができますが、精神的な問題を解決しないとむしる行為を自制することはできません。症状を改善していくためには、やはり精神科(神経科)を受診し心理療法・薬物療法などの治療を受けていくことが大切なぽいんと。
あまり認知度の高くない病名のため、なかなか人に言えず悩んでいる人は多いですが、一人で克服するのは難しく、ストレスが溜まり症状が悪化してしまうことも少なくありません。
一人で抱え込まずにクリニックなどに相談し、内在しているストレスを軽減しながら治療を続けていくことが重要です。
もし気になる症状がある場合には、「クセ」だと自己判断せず、受診をしてみるのをオススメします。早めのうちから治療を始め、少しづつ症状と悩みを緩和していきましょう。