多汗症をボトックスで治す
公開日:2016/09/21 / 最終更新日:2020/12/21
この記事の目次
- ワキガだけじゃない!多汗症にも有効のボトックス注入
- 汗が出る仕組み
- 多汗症は体質にあり!?
- 多汗症のボトックス治療
- 季節限定でボトックスという手も
ワキガだけじゃない!多汗症にも有効のボトックス注入
「暑い時や緊張した時に大量の汗が出て気になる」その汗にボトックス注入が有効なことをご存知ですか? ワキへのボトックス注入といえば「ワキガ」を連想しがちです。しかし、ボトックスには発汗を司令する神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑制して汗の量を抑える効果もあるのです。
汗が出る仕組み
発汗は、神経伝達物質のアセチルコリンが汗を出す「汗腺」を刺激することにより起こる生理現象です。 気温の変化や緊張、運動、発汗作用のある食べ物などで脳に刺激が与えられると、アセチルコリンが分泌され、汗腺から発汗を促します。
多汗症は体質にあり!?
人の汗腺はエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類に分かれており、発汗の大部分がエクリン汗腺から出ています。そのため、多汗症はエクリン汗腺の数が多い、またはエクリン汗腺の活動が活発な体質の人に多い傾向があります。
エクリン腺は、皮膚の表面から浅い場所に広がり、アポクリン汗腺はエクリン汗腺よりも深部に存在しています。 多汗症治療のボトックス注入は、皮膚の比較的浅い部分に薬液を投与するためエクリン汗腺へダイレクトに作用させることが可能です。多汗症のボトックス治療多汗症のボトックス治療は、発汗の指令を伝達するアセチルコリンの働きをブロックする治療法です。 多汗症には他に外科的な手術でワキの汗腺を取り除く方法もあります。しかし、エクリン汗腺は無数にある上に、皮膚表面に存在しているため完璧に取り除くことは不可能です。 ボトックス注入はメスを使わずに施術を受けることができるため、多汗症治療にボトックスを選ぶ人も多いのです。
季節限定でボトックスという手も
発汗の増える夏場は、多汗症の人にとって憂鬱な季節です。ボトックスの効果は5カ月程度持続するため、年一回、暖かくなり始めた3~4月ごろにボトックス治療を開始する方もいます。
また、多汗症が緊張や精神的な不安から起こっており、さらに汗をかくことへの不安そのものが発汗のきっかけになる場合もあります。そのような場合には、ボトックス注入で汗に対する不安を取り除くことができるため、一度の治療で完治することもあります。
「汗かきは体質だから…」「色々な方法を試したけど多汗症が治らない」そのような場合には、ボトックスの力に頼ってみてはいかがでしょうか。