秋の夜長に意識したい「体内時計」リセット法
公開日:2017/05/17 / 最終更新日:2019/10/16
過ごしやすい日が続いていますが、読書やテレビ、インターネットでついつい夜更かしをし、一日のリズムが崩れていませんか? 睡眠時間が不規則になると体内時計が狂い、さまざまな悪影響が出てくるかもしれません。
ここでは体内時計の役割と狂った体内時計のリセット法についてご紹介します。
体内時計とは
人は体内時計があることで、朝に目を覚まして栄養補給の準備をし、脈拍や血圧など一日活動するための準備をします。
また、夜は分泌されるホルモンによってリラックスし眠くなります。この「朝起きて、昼に活動、夜眠る」というサイクルに伴う生理現象を「概日リズム」といいます。これが体内時計です。
体内時計はどうして狂うのか
体内時計は、人間の目の奥にあるわずか1㎜ほどの視交叉上核(しこうさじょうかく)という神経細胞の集まった核が大きく影響しています。約20,000の神経細胞が24時間のリズムを作り出し、覚醒、体温、血圧、ホルモン分泌、睡眠などを切り替えているのです。
体内時計は目の奥にある神経に管理されているため、光の影響を大きく受けます。通常、朝に太陽の強い光を受けることで、体が働く準備をしてくれますが、夜に本来ないはずの光を受けることで体内時計は狂ってしまうのです。
体内時計を調節するホルモン
体内時計は「メラトニン」というホルモンによって調整されています。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、覚醒と睡眠を切り替えています。
朝に光を浴びると体内時計がリセットされて針が進み、活動状態になります。それと同時にメラトニンの分泌が止まり、目覚めてから14~16時間後に再び分泌されて体温を低下させ、眠気を誘うのです。
メラトニンは新陳代謝を促し、疲れを取ったり病気を予防するなどさまざまな効果があります。
狂った体内時計の影響
体内時計が狂うと起きる症状に「睡眠相互後退症候群」があります。これは、生活リズムが不規則な人がなりやすく、睡眠時間が大きく後ろにずれ、寝ようとしても寝付けずに朝起きるのも辛くなります。この状態は不眠症を引き起こし、自律神経のリズムも乱れてしまいます。やがて倦怠感に疲労感を感じやすくなり、うつ病になりやすくなります。
特に以下に当てはまる人は注意が必要です。
・就寝時刻が遅く、ばらつきがある
・起床時間が遅く、ばらつきがある
・生活リズムが比較的自由な職業の方(学生・フリーター・自営業)
・日勤と夜勤の両方の勤務帯で働く方
・睡眠時間は適度にあるが質が悪く、不満がある
体内時計を狂わせないために
体内時計を正常に保つために、気を付けたいことをご紹介します。
- ・起床したら日の光を浴びる(14時間後にはメラトニン分泌が始まるため10時までに日の光を浴びるとよいでしょう)
- ・一度、睡眠時間が後ろにずれても同じ時間に起きるようにする
- ・朝食をよく噛んで食べる
- ・日中、適度に体を動かす
- ・カフェインは就寝4時間前までにして控える
- ・就寝2・3時間前までに食事とお風呂を済ませる
- ・就寝前のパソコン、スマホ、テレビは控える
- ・寝る部屋は暗くする
以上のことに注意することで、体内時計のずれを改善できるでしょう。
パソコンやスマホのブルーライトは刺激がつよく、メラトニンの分泌がされにくくなってしまいます。光の刺激は体内時計に大きな影響を与えてしまうので、夜はできるだけ光の刺激を少なくし、自然に眠れるように生活リズムを一定にすることが大切です。