要注意!? ニキビ跡にできるシミのメカニズム
公開日:2017/05/07 / 最終更新日:2019/08/27
ニキビができた後にシミになってしまっていることに悩んだことはありませんか? 実はニキビ跡にできるシミは普通のシミとは少し違います。ここでは、ニキビ跡にできるシミについてご紹介します。
炎症が起きたニキビ跡にできるシミ
ニキビ跡が原因で起こるシミは、炎症性色素沈着といいます。これは、傷や炎症を受けたことによりできるシミで、炎症を伴う悪化したニキビが治る頃に、発生しやすくなります。最初は血液中にあるヘモグロビンの作用が大きいため紫色のシミが多くなりますが、時間の経過と共に、ヘモグロビンの影響が弱くなりメラニン色素の影響が強くなるため、茶色が強くなっていきます。
紫色のニキビ跡
紫色のニキビ跡は、血液中にあるヘモグロビンが色素沈着したニキビです。
炎症や化膿が悪化したニキビは、細胞の損傷を治すために、たくさんの毛細血管を形成します。それが破裂して内出血を起こすと、血液は壊れた毛細血管から皮膚細胞に漏れ出て染み込んでいきます。
ヘモグロビンは、酸素を失うと黒っぽく変化するため、赤色から赤黒い色や紫色の色素沈着をしてしまいます。
また、炎症のダメージで皮膚自体が薄くなり、出血による紫色がより目立ってしまうこともあります。
肌の生まれ変わりであるターンオーバーは、肌の表皮でしか起こらないため、肌の深い部分にある真皮や皮下組織で起きたヘモグロビンによる色素沈着は、ターンオーバーでは回復が難しいのです。
茶色のニキビ跡
茶色のニキビ跡は、メラニンが色素沈着したニキビです。
炎症を起こしたニキビができると、毛穴の細胞壁に損傷を与えるアクネ菌が増殖しますが、体は増殖したアクネ菌を鎮めるため、体内に活性酸素を発生させます。
体の酸化や錆び、老化の原因となる活性酸素は、アクネ菌と一緒に肌の細胞も攻撃します。そのため、活性酸素による攻撃から肌を守ろうとしてホルモンが分泌されますが、このホルモンがメラノサイトを刺激するため、メラニン色素が過剰生成されるのです。
メラニン色素はもともとチロシンという物質で、本来紫外線や炎症などの外からの刺激から守るために働きます。しかし、紫外線による刺激を受けることで、チロシナーゼと呼ばれる酸化酵素が働き、黒色メラニンに変化させてシミの原因になるのです。
また、メラニンの生産量が多すぎたり、代謝機能の低下でメラニンを円滑に排出できなかったりすると色素沈着を起こしてしまいます。特に、ヘモグロビンが色素沈着した紫色のニキビ跡の状態で、大量の紫外線を浴びてしまうと、弱った皮膚を守ろうと大量のメラニン色素が生成されます。
健康な肌であれば、多少のメラニンが生成されてもターンオーバーによって排出されてメラニン色素は薄くなり白い肌へと戻ります。しかし、ターンオーバーがうまく働かないとメラニン色素が排出されず皮膚に残るため、徐々に濃い茶色になっていきます。
それがひどくなると残ったメラニン色素が深い部分に沈着してしまい、改善するのが難しくなるのです。
ニキビ跡にできるシミを作らないためには、ニキビの炎症を早めに治してシミの原因を発生させないことがカギです。
さらに肌のターンオーバーを促し色素沈着を防ぐことが大切です。
ヘモグロビンやメラニンによる色素沈着を防いで、美しい肌を保ちましょう。