「フケ」の悩みは、実は「脂漏性皮膚炎」が原因かも!?
公開日:2015/12/24 / 最終更新日:2015/12/24
頭皮から落ちる「フケ」に悩んでいる方は意外と多いもの。
しかし、毎日洗っているのにフケの量が減らなかったり、顔や体にも皮膚炎などの症状がある場合には、単なるフケではなく「脂漏性皮膚炎」を発症している可能性が高くなります。
「脂漏性皮膚炎」の症状や原因、対策方法について紹介していきます。
脂漏性皮膚炎が起こってしまう原因とは
脂漏性皮膚炎は、皮膚に常在している「菌」が過剰に増殖してしまうことで発症するもの。
皮膚には、約1兆個ともいわれる常在菌が住んでおり、通常のバランスがとれた状態であれば病原菌の浸入を防ぐなど肌を守る役割を担っています。しかし、睡眠不足や食生活の悪化・ストレスなどの影響で皮脂量が過剰に増えすぎてしまうと常在菌は一気に増殖し、肌に悪影響を与えてしまうのです。
常在菌の中でも、特に皮脂腺に住みつく「マラセチア」という真菌(カビ)の増殖が、脂漏性皮膚炎を引き起こす原因ではないかと考えられています。
脂漏性皮膚炎にみられる症状
脂漏性皮膚炎の主な症状は、「フケが増える」「頭皮に赤っぽい斑点がある」「鼻の脇が赤くなる」などがあり、基本的に左右対称に症状がでるという特徴があります。
他にも耳の後ろや脇の下・太ももの付け根などの「汗」や「摩擦」の多い場所に湿疹や皮膚炎が現れることが多く、かゆみを伴うケースも少なくありません。頭皮は、放置していると脱毛してくる恐れもありますし、放置期間が長くなるほど治療も難しくなってくるため早めのケアが大切です。
乳児期に罹りやすい皮膚炎でもありますが、乳児の多くは8~12か月で治り、再発の危険も殆どありません。しかし成人が脂漏性皮膚炎を発症した場合には、「フケ」などの症状が慢性化しやすく、再発の可能性も高いため注意が必要です。
症状を改善していくための対策方法
脂漏性皮膚炎の治療には、抗炎症作用のある「ステロイド外用剤」を塗り、対策していく方法が効果的。初期や軽い症状の脂漏性皮膚炎の場合には、ステロイド外用剤だけで回復する場合もあります。
ステロイド外用剤だけではなかなか改善が見られない場合には、ステロイド外用剤の他に「抗真菌剤」の塗り薬を使って真菌の増殖を抑えていきます。
かゆみがある場合は、かきむしってしまうと湿疹が悪化してしまうので、抗ヒスタミン剤やアレルギー剤を内服し、かゆみを取り除いていくことも重要です。
また繰り返しやすい「脂漏性皮膚炎」を改善するためには、日々のケアも必要不可欠な要素。脂漏性皮膚炎の原因となる菌は、肌の「皮脂」により増殖するため、毎日の洗顔や洗髪・入浴などで皮脂をしっかり落とすよう心がけましょう。特に頭皮はフケの症状が出やすい部分であるため、刺激を与えないよう優しく丁寧に洗いながら皮脂をオフしていくことが大切です。
リンスは、油分が多く菌の増殖を助長させてしまうため、脂漏性皮膚炎の症状がある場合には、控える方が良いでしょう。身体を洗う石鹸やシャンプーは、低刺激のものがオススメで、抗真菌剤が配合されたボディソープやシャンプーを使うとより効果的です。
フケやかゆみを伴う「脂漏性皮膚炎」。
慢性化しやすい特徴のあるこの皮膚炎ですが、適切なケアを行っていくことで症状は改善されていきます。日々の生活の中でしっかりとしたケアを継続し、健康な肌と頭皮を守っていきましょう。