ケロイドってなに? その種類と発生しやすい体の部位
公開日:2017/06/20 / 最終更新日:2019/08/23
ケロイドという言葉はよく聞きますが、それがどういうものか詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
非常に目立つ傷跡であるケロイドは基本的に誰にでも起こりうる症状です。
ただの傷跡だと思ってひっかいたりしないように、その種類や発生しやすい部位などを学んでおきましょう。
ケロイドとはどういうものを言うのか
ケロイドとは、傷跡などが赤く盛り上がったり、硬く肥厚したりといった状態のことを言います。たとえ同じ傷跡だったとしても、隆起せず色も薄い場合はケロイドとは言いません。
原因には、傷を治す過程で必要なコラーゲンや線維芽細胞が通常よりも多く分泌されることという説があります。
しかし、本人の体質や深く関係しているため、はっきりとはよく分かっていないとのこと。人によってかかりやすい人とかかりにくい人が存在し、中でも黒人の人は最もケロイドの症状が出やすいと言われています。
逆に白人はケロイドになりにくいとのこと。これらのことから、遺伝やアレルギーの一種という見方も強め、現在も研究を進められています。
ケロイドの種類とその特徴
ケロイドは2種類存在し、真性ケロイドと肥厚性瘢痕(瘢痕ケロイド)に分かれています。
具体的に何が違うのかというと、真性ケロイドとは小さな外傷などが元となり、その部分が赤く膨れてコブのようになるケロイドのことです。元となった外傷よりも大きく広がりやすく、上から圧迫しても痛みを感じませんが、強くつまんだりすると痛みが生じます。こちらのケロイドはなかなか治りにくく、治療に時間がかかります。
瘢痕ケロイドとは手術や怪我の痕が厚くなり、赤く盛り上がってできるケロイドです。真性ケロイドとの違いは、隆起が元の外傷よりも広がらないこと。火傷などの酷い怪我に加えて、手術時の縫合方法や皮膚にメスを入れる方向が不適切だと起こりやすいといわれています。痒みが生じることのある瘢痕ケロイドですが、数か月から数年すると自然に退色し、盛り上がりも収まってきます。
ケロイドができやすい部位
ケロイドのほとんどは何らかの傷が原因で起こる症状です。そのため、体の中でも外からの刺激を受けやすい部位、またはニキビができやすい部位に多く発生します。
具体的には前胸部、肩や肩甲骨周辺、恥骨付近、下あごや耳たぶなど。前胸部や肩、恥骨というのは、女性であれば下着の金具などが当たりやすく、それによってできた小さな傷がケロイドとなることがあります。下あごはニキビができやすい場所であるため、その痕が凹凸のあるケロイドとなることも。耳たぶにできるケロイドは主にピアスが原因となります。また、関節の近くなどの傷口に圧力がかかりやすい場所は、瘢痕ケロイドの症状が現れやすいようです。
これらの場所に傷ができたら傷をひっぱったりせず、清潔・湿潤を心掛けて目立つ傷跡を残さないように気をつけましょう。
膨れ上がった傷跡は爪がひっかかりやすいものですが、そうやって刺激を与えることで痛みやかゆみが悪化することがあります。
最も理想なのは、完全に盛り上がってしまう前に医師に相談すること。ケロイドの治療には薬による治療から手術まで、様々な治療法が存在します。
一度できてしまうと自力で完全治癒させるのは難しいと思いますので、早めに最寄りの形成外科を受診してください。