「毛嚢炎」の症状や原因は? ニキビとの違いもチェックしよう
公開日:2018/09/01 / 最終更新日:2022/06/10
毛嚢炎(もうのうえん)は、皮膚感染症の一種です。一見、ニキビに似ていますが、症状や原因は大きく異なります。
発症した際の悪化を防ぐためには、毛嚢炎の症状や原因、対策法を知っておくことが大切です。毛嚢炎はどのような症状を招くのか、発生原因とあわせてご紹介します。
毛嚢炎の症状とは?
毛嚢炎は、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌が毛穴に感染することで発症し、直径1センチ以下の赤くブツブツとした丘疹が現れます。中には、丘疹の中央部分に白や黄色の膿が見える状態になることも。基本的に痛みやかゆみはほとんどありませんが、重度になると化膿して痛みや発熱をともないます。
ニキビとの違いを見分けるには?
ニキビは顔や背中など、皮脂分泌が多い部分にできる傾向がありますが、毛嚢炎は腕や太ももなど、皮脂が少なくて乾燥している部分にも発生しやすいという特徴があります。
また、ニキビは芯がありますが、毛嚢炎には芯がないという違いもあります。正しいケアをすれば比較的治りやすいのも、毛嚢炎の特徴といえるでしょう。
毛嚢炎ができる原因と対策方法
・ムダ毛の自己処理
毛嚢炎が発生する主な原因は、カミソリや毛抜きによるムダ毛処理です。ムダ毛処理をしたとき、毛穴にブドウ球菌が感染すると毛嚢炎を発症する可能性が高くなります。とくに毛抜きは、毛嚢炎を引き起こすリスクが高い処理方法。毛を抜くと毛根部が傷ついてバリア機能が低下し、菌に感染しやすくなるのです。
このようなリスクを避けるためには、できるだけ毛抜きを使わないことや、カミソリを使ったあとはアフターケアを万全に行うことが大切です。処理後は肌を冷やして火照りを落ち着かせ、そのあとに化粧水などで潤いを補いましょう。
また、カミソリではなく、肌を傷つけにくい電気シェーバーを使うことも毛嚢炎予防に効果的です。
・高湿度や不衛生な環境
汗をかいたあともそのままにしていたり、肌が蒸れていたりする状態を長く放置していると、毛嚢炎を発症しやすくなります。肌が長時間湿った状態ではバリア機能が低下し、ブドウ球菌に感染しやすくなるのです。とくに女性の場合、生理中のデリケートゾーンは蒸れやすいもの。毛嚢炎を防ぐためにも、こまめにナプキンや下着を取り替えるなどのケアが必要です。
また、汚れた衣類や寝具を使い続けていることも、毛嚢炎の発生につながります。定期的に清潔なものに取り替えて、毛嚢炎になりにくい環境を保ちましょう。
・ステロイド外用薬の長期使用
ステロイド外用薬には免疫抑制作用があるため、長く使用していると皮膚の免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。市販の外用薬の中にもステロイド系の薬が多数あるため、長期使用していないか見直してみましょう。
・生活習慣の乱れ
睡眠不足や偏った食生活が続いた場合も、肌の免疫機能が低下しやすくなります。毛嚢炎ができやすいという場合には、スキンケアに加えて普段の生活習慣が乱れていないかを見直すことも大切です。
軽度の毛嚢炎の場合、清潔な環境を保っていれば自然と治っていくケースがほとんどです。しかし、症状が重くなると自分だけの力で改善することが難しくなります。悪化を防ぐためにも、クリニックなどの受診も視野に入れましょう。