女性の悩み「肝斑」に効果的に働きかける「トラネキサム酸」とは?
公開日:2018/12/24 / 最終更新日:2022/06/02
肌にできてしまった肝斑の改善には、トラネキサム酸が有効です。
しかし、トラネキサム酸とは一体どんな成分なのかご存知の方は多くないでしょう。
肝斑改善に多く使用されるトラネキサム酸とは、肌や体にどういった作用をもたらすものなのでしょうか?
安心して使用するためにも、成分の詳細や効果、作用についてチェックしてみましょう。
トラネキサム酸って一体どんなもの?
トラネキサム酸は、タンパク質を構成する必須アミノ酸「リシン」をもとにして人工的に作られたアミノ酸の一種。病院などで処方されるトラネキサム酸は「トランサミン」という医薬品です。
このトラネキサム酸は、抗炎症作用や抗アレルギー効果、止血効果のある成分で、出血を止めたり、じんましんや湿疹を治療したりする薬として、医療の現場で長く使われてきました。
そんなトラネキサム酸に肝斑の改善効果があるとわかったのは1979年のことです。さらに2002年になると、厚生労働省が「トラネキサム酸には美白効果がある」と認めたことから、肝斑治療に広く使われるようになりました。
トラネキサム酸が肌にもたらす効果
肝斑ができる主な原因は、シミのもとになるメラニンを作り出すメラノサイトが活性化してしまうことです。紫外線を浴びると、メラノサイトが肌にメラニンを作らせてしまうために、シミや色素沈着が起こりやすくなります。
トラネキサム酸は、メラニンを作り出すメラノサイトに働きかける効果が期待されています。メラニンが作られる前にメラノサイトの活性化を抑制し、さらにシミの原因物質であるプロスタグランジンをブロックしてくれるのです。
また、女性ホルモンのバランスの乱れも、肝斑を悪化させてしまう一因です。トラネキサム酸は肝斑の改善に有効な成分なのですが、女性ホルモンに働きかける作用があるわけではありません。肝斑のすべての原因に働きかけてくれるというわけではないので注意しましょう。
トラネキサム酸が体にもたらす作用とは?
トラネキサム酸には、人の体の中で炎症を引き起こすプラスミンという酵素を抑制する働きがあります。炎症やじんましんの治療薬として、そして肝斑の改善にも有効とされるトラネキサム酸ですが、その性質上、血液が固まりやすくなる可能性があります。
血栓性の持病を抱える方や心筋梗塞や脳梗塞などの病気がある方は、服用に注意が必要です。また、トラネキサム酸によって食欲不振や胸焼けなどが起こるケースもあるといわれているため服用する際は専門医の指導が必ず必要になります。肝斑の改善のためにトラネキサム酸を使用するのであれば美容皮膚科で処方してもらうのが一般的ですが、クリニックの医師の指示は必ず守りましょう。