顔の多汗症はボトックス注射で治せる?
公開日:2016/09/05 / 最終更新日:2020/12/21
この記事の目次
- 顔の多汗症はボトックス注射で治せる?
- ボトックスって一体なに?
- なぜボトックス注射で顔の多汗症が治るの?
- ボトックス注射の効果期間
- ボトックス注射の注意点
顔の多汗症はボトックス注射で治せる?
多汗症の症状は手やワキの下、足の裏、顔など様々な部位に現れます。いずれも、日常生活に支障をきたすやっかいな症状です。顔の多汗症は特に人目につきやすいため、人間関係に消極的になってしまう人もいるようです。そんな顔の多汗症ですが、ボトックス注射で症状を改善できると言われています。
ボトックスって一体なに?
ボトックスとは、ボツリヌス菌という食中毒を引き起こす細菌がつくる毒素を医療用に加工したものです。毒素というと何か怖いもののように思うかもしれませんが、ボトックスは眼瞼痙攣(まぶたけいれん)の治療薬として、1997年に厚生労働省の認可も受けている安全性の高いものです。
ボトックスはタンパク質の一種であり、神経の伝達を弱める働きがあります。そのため、目瞼痙攣以外にも、片側顔面麻痺や斜視など筋肉の活動亢進(かつどうこうしん)によって起こる病気の治療に広く用いられているのです。また、近年では美容の分野でもボトックス注射が大きな注目を集めています。気軽に出来るプチ整形としてボトックス注射による顔のしわ取りなどに多くの需要があるようです。
なぜボトックス注射で顔の多汗症が治るの?
人の身体には、エクリン腺という汗腺が広範囲に分布しています。多汗症は、このエクリン腺から汗が過剰に分泌されている状態をいいます。しかし、エクリン腺が勝手に汗を出しているわけではありません。アセチルコリンという神経伝達物質が、エクリン汗腺に指令を出すことで汗が出るのです。
ボトックスには、アセチルコリンの放出を抑制する働きがあるため、皮下に注入することで汗腺の働きを弱めて、発汗を減らすことが出来るのです。施術時間はわずか15分程度で済むため、すぐに帰宅することが出来ます。注射による痛みは多少ありますが、希望すれば表面麻酔も受けられますし、治療後に患部が腫れることもほとんどありません。治療が手軽でありながら、しっかりとした効果が得られるということで、多汗症の治療としてボトックス注射を選択する方が多いようです。
ボトックス注射の効果期間
ボトックス注射の効果は永久ではありませんが、1回注入すると3~6カ月は効果が持続すると言われています。ボトックス注射を受けてから2~3日後には発汗量が少なくなり、2カ月後くらいが最も効果が強くなるようです。そのため、特に発汗が多くなる春から夏にかけて効果が出るように、逆算して治療を始めると良いでしょう。ボトックス注射を繰り返し行うことで汗腺が委縮するため、効果はより持続するようになっていきます。
ボトックス注射の注意点
ボトックス注射による多汗症治療に関して、1つ注意点があります。そのため治療費は高額となってしまいます。それは、部位によって保険適用範囲が異なるといくことです。今回のテーマである顔の多汗症については、保険の適用外になります。治療方針だけでなく、金銭面についても事前のカウンセリングでしっかり内容を理解してから、施術を受けることが大切です。