臭いの原因になる汗腺はどっち? エクリン腺とアポクリン腺
公開日:2017/03/26 / 最終更新日:2019/08/25
人の体には「エクリン腺」「アポクリン腺」「皮脂腺」という3つの分泌腺があるのですが、その中で汗を作り出しているのはエクリン腺(小汗腺)とアポクリン腺(大汗腺)の2つとなっています。
今回はその2つの汗腺の違いと、汗による臭いの原因についてご紹介します。
エクリン腺
エクリン腺は全身の肌に存在している肉眼では見ることが出来ないとても小さな汗腺で、特に頭や顔、背中などに多くあります。
エクリン腺から出るエクリン汗は体温調節が目的で分泌されていて、またその99%が水分であるため、サラサラしていてほとんど臭いがありません。
またエクリン汗には塩分が含まれているので皮膚の常在菌が繁殖しにくくなっています。
暑い時や運動をした時、緊張した時や辛いものを食べた時に出る汗は、いずれもエクリン汗です。
アポクリン腺
アポクリン腺は脇の下やへその周りなど、体の一部分に存在している人間の成長に伴って大きさが変化する汗腺で、思春期ごろをピークに年齢を重ねるにつれてだんだんと小さくなっていきます。
毛穴と出口を共有していて、皮脂腺から分泌された脂分とアポクリン腺から出た汗が混ざり皮膚表面の雑菌によって分解されることで、アンモニアや低脂肪酸などに変化して汗を臭くしてしまいます。
つまり汗の臭いの原因となっているのはこちらの方で、アポクリン腺から出る汗には塩分が無く、代わりにたんぱく質や脂質を多く含んで粘り気があるため、常在菌が繁殖しやすいのです。
また誰であってもアポクリン腺から出る汗は臭うのですが、異性を引き付けるための匂いもこのアポクリン腺から出ているといわれています。
このように汗腺には「サラサラした汗を出すエクリン腺」と「臭い汗を出すアポクリン腺」の2つがあるわけなのですが、アポクリン腺から出る汗の臭いが強すぎるとワキガとなってしまいます。
ワキガは命に関わるような病気ではありませんが、ワキガの臭いのせいで日常生活に支障をきたしてしまっている場合は、一度クリニックにご相談することをお勧めします。