火傷の種類は1つだけじゃない!それぞれの症状と処置方法
公開日:2017/08/22 / 最終更新日:2017/08/22
火傷には様々な種類があり、それぞれ症状も処置方法も異なります。火傷をしてしまった時は誰もが慌ててしまうものですが、悪化を防ぐためには、まず落ち着いて症状別に正しい対処をすることが大切です。
万が一の時に慌てないようにするためにも、火傷の種類やそれぞれの応急処置方法をチェックしておきましょう。
火傷の種類や症状
・温熱熱傷
45度以上の熱湯や蒸気、炎の熱によって皮膚が損傷した状態のことです。いわゆる一般的な火傷は、この温熱熱傷にあたります。
・低温熱傷
本来なら火傷を起こさない程度の低温のものに長時間触れていることで発生するのが低温火傷です。カイロや湯たんぽ、電気あんか、ホットカーペットなどで発症しやすいのが特徴です。はじめのうちは軽い症状にみえますが、皮膚組織の損傷によって重症化しやすくなります。火傷の深さにもよりますが、徐々に皮膚が黒く壊死して、広い瘢痕が残ってしまうことがるため注意が必要です。
・化学熱傷
酸やアルカリなど、刺激の強い化学薬品による火傷のことを化学熱傷といいます。薬品を吸い込むことで、喉や目の粘膜が損傷する場合があり、通常の火傷よりも損傷が深く、傷跡も残りやすい傾向があります。
・気道熱傷
高温の煙や有毒なガスなどを吸い込むことで、気道や肺を損傷した状態を気道熱傷といいます。呼吸困難が生じ、重症化すると窒息によって呼吸停止を招くことがあります。
・電撃傷
落雷や感電など、電流による火傷が電撃傷です。体内に電流が流れるため、皮膚よりも体内の損傷が大きい場合があります。
・放射線熱傷
放射能によって、皮膚や粘膜、細胞が損傷した状態のこと。遺伝子レベルの損傷によって、皮膚や細胞が再生されない恐れがあります。
火傷の深度・傷跡の残りやすさ
火傷の深さを表す「深度」は、「Ⅰ度」「浅達性Ⅱ度」「深達性Ⅱ度」「Ⅲ度」で表され、それぞれ傷跡の残りやすさも異なります。
・Ⅰ度
損傷を受けているのは皮膚の表皮だけなので、皮がむける程度で治ることがほとんどで、傷跡も残りにくい火傷です。
・浅達性Ⅱ度
真皮まで損傷しているため水ぶくれができますが、1~2週間で治り、傷跡はほとんど残らないといえる火傷です。
・深達性Ⅱ度
真皮の下層まで損傷しているため、水ぶくれと激痛をともない、色素沈着やケロイドなどの傷跡が残る場合があります。
・Ⅲ度
真皮すべてと皮下組織を損傷しているので、治癒に長い時間がかかります。傷跡だけでなく、障害が残ってしまう恐れもあるため要注意です。
火傷(温熱熱傷)の応急処置と治療法
家庭などでも起こりやすい温熱熱傷の火傷を負った時は、なによりも先にまず患部を流水で冷やしましょう。服の上から火傷を負った場合、衣類を無理に剥がさずにその上から流水で冷やしましょう。
軽度であれば患部を十分に冷やした後、市販のモイストヒーリング専用の絆創膏を貼って、治癒を促しましょう。乾かないように軟膏を塗る方法も有効です。
また、水ぶくれができたときは、無理に割らずにそのままの状態をキープした方が治りが良くなります。自然に割れてしまった場合には、流水で良く洗い流し、モイストヒーリング専用の絆創膏を貼りましょう。
さらに、重度の火傷の場合は、自宅での処置は困難です。患部を冷やしてから、すぐに病院へ行きましょう。
軽い火傷であれば、自宅での冷やすケアが有効ですが、重度の温熱熱傷や他種の火傷はセルフケアでの対応は難しいため、必ず医療機関で適切な治療を行いましょう。跡を残さないためにも、適切な判断をして下さいね。