火傷跡は残さない!覚えておきたい家庭での火傷処置方法
公開日:2016/11/15 / 最終更新日:2016/11/15
家庭は安全な場所と思われがちですが、家の中にはストーブや調理器具、ヘアドライヤーなど火傷を引き起こしてしまうかもしれない場面やアイテムが意外にたくさんあります。万が一の場合に慌てず対処できるように、火傷の危険性と正しい処置方法を知っておきましょう。
火傷の症状と危険性
「火傷」とは、熱湯や蒸気、熱した油やアイロンなどの熱いものに接触することで起きる、爛れなどの皮膚の損傷のことをいいます。
意外なものでは日焼けも火傷の一種で、火傷の原因も症状も様々。火傷は、皮膚の損傷程度によって次の3つにランクされています。
・1度熱湯
熱湯や熱いものなどに一瞬触れたり、紫外線が原因となる火傷。皮膚表面だけがダメージを受けて、皮膚が赤くなったり腫れたりと痛みを伴う状態のことを指します。
・2度熱湯
極めて熱い熱湯に触れたり、長時間熱いものに接触したことが原因となる火傷。皮膚が炎症を起こし、水ぶくれができて強い痛みを伴います。
・3度熱湯
直ちに医療処置を必要とする重症の火傷で、皮膚だけでなく皮脂脂肪や筋肉、骨にまで損傷が及び、患部がザラザラとして白や黒に変色します。
火傷というと、とても熱いものに触って起きる怪我だと思い込みがちですが、最近は服に貼りつける使い捨てカイロによる低温火傷の被害もあとを絶ちません。
低温火傷は、皮膚の奥深くで静かに進行していくので、通常の火傷よりも症状が悪化しやすく、治りにくい傾向があり、皮下組織が壊れてしまった場合には、手術が必要になることもあるのです。
また火傷をすると皮膚による体のバリア機能が失われ、感染症などにもかかりやすくなってしまいます。安易な民間治療は命取りになることがるので、火傷をした場合はきちんとした正しい処置が必要です。
火傷をしたときの応急処置のポイント
私たちの体は全身が皮膚に覆われて、乾燥や感染症、外部からの衝撃などが体にダメージを与えないようになっていますが、火傷はその大事なバリアを壊してしまう怪我です。火傷の程度や範囲の大きさによっては、死に至る危険もあるほど。家庭ではまず火傷をしないように予防することが第一ですが、万が一火傷をしてしまったら、次のポイントを守って確実な応急処置をしましょう。
・服の上から流水をあてて、皮膚にそれ以上のダメージを与えない。
・大量の水道水で冷やす
・できれば氷水を使う
・最低でも20分は冷やし続ける
火傷は原因となっている熱いものから離れても、徐々に皮膚の下で進行していくので患部の感覚がなくなるまでしっかりと冷やす処置を行うことが大切です。冷やすことで痛みがやわらぎ、火傷の跡も残りにくくなります。怪我が軽症なのか重症なのかが、判断できない場合でも、火傷をした場合は家庭で応急処置をしたあと早めに病院を受診して、適切に対処していきましょう。