太りやすいのは「肥満遺伝子」のせい!? 日本人に多いタイプとは
公開日:2019/11/04 / 最終更新日:2022/02/01
「ダイエットをしているのに痩せにくい」「食事量は普通なのに人より太りやすい」と感じていませんか? もしかしたらその悩みには、肥満遺伝子が大きく関係しているかもしれません。人の太りやすさは、個人個人が持っている遺伝子で決まるともいわれているのです。肥満遺伝子とはどのようなものなのか、日本人に多い種類や特徴とあわせてご紹介します。
肥満遺伝子とは
肥満遺伝子とは、人の肥満に関係する遺伝子です。エネルギー代謝に大きな影響を及ぼし、私たち一人一人の太りやすさ・脂肪のつきやすさを左右しています。現在では50種類もの肥満遺伝子が発見され、肥満治療や健康管理などに役立てられています。自分が保有している肥満遺伝子の種類を知ることで、太る原因や適したダイエット法を解明できるのです。さらに肥満遺伝子は生涯変化せず、生活習慣病にも関連することから、将来の肥満や病気の予防にも活かすことができます。
日本人に多い肥満遺伝子の種類・タイプは
ではここからは、日本人に多い肥満遺伝子の種類を見ていきましょう。日本人の約97%は、以下のいずれかの肥満遺伝子を保有しているといわれています。
β3アドレナリン受容体遺伝子(β3AR)
日本人の約34%、およそ3人に1人が保有している遺伝子です。糖質の代謝が悪く、基礎代謝量が1日辺り200kcalも低くなります。
エネルギーを節約できることから飢餓に耐えうる遺伝子として知られていますが、食文化の豊かな現代では肥満の原因になってしまいます。β3ARを保有している方はお腹周りが太りやすく、その特徴的な体型は「りんご型」と呼ばれています。
脱共役たんぱく質1遺伝子(UCP1)
日本人の約25%、およそ4人に1人が保有している遺伝子です。脂肪の代謝が悪く、基礎代謝量が1日辺り100kcal程度低くなります。
エネルギーの燃焼を促す褐色脂肪細胞の働きが弱いことが、代謝が悪くなる主な要因です。太ももやお尻などの下半身が太りやすいため、「洋なし型」と呼ばれます。
β2アドレナリン受容体遺伝子(β2AR)
日本人の約16%が保有している遺伝子です。基礎代謝量が1日辺り200kcalも高いことから、逆肥満遺伝子ともいわれています。
この遺伝子を持っていると太りにくいのですが、筋肉がつきにくい体質のため、一度太ると痩せにくいのが特徴です。体型はほっそりとしていることが多く、「バナナ型」と呼ばれています。
保有している肥満遺伝子の種類は、当院の肥満遺伝子検査で知ることができます。もちろん、その遺伝子に適したダイエット法も同時に判明するので安心です。自己流のダイエットで結果が出ない方は、一度検査してみてはいかがでしょうか。