ボトックス注射によるワキガ治療
公開日:2016/09/06 / 最終更新日:2020/12/21
この記事の目次
- ボトックス注射によるワキガ治療
- ワキガの治療
- ボトックスによるワキガの治療
- 保険適用外の治療と適用内の治療
ボトックス注射によるワキガ治療
ワキガとは、ワキの下から大量の汗が出ることにより異臭がする病気です。医学的には「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」といいます。
もともと、ボトックス注射は眼瞼痙攣を代表とする痙攣に用いられる薬剤です(1996年薬価収載)。食中毒でよく耳にするボツリヌス菌の毒素を少量使うことで痙攣に効果があります。最近になって、腋窩多汗症にも効果があることが分かり、腋窩多汗症の対する効能追加が2012年に承認されました。
ワキガの治療
日本皮膚科学会が公開している「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版」によれば、ワキガの治療の第1選択が塩化アルミニウムの単純塗布あるいはODT(occlusive dressing technique)療法(塩化アルミニウムを塗布した後、ラップフィルムなどで密封することです)、第2選択がボトックス注射、第3選択が塩化アルミニウムの単純塗布とボトックスの併用となっています。手術に対しては効果や危険性のため、その他の治療としており推奨していません。
今回は第2選択のボトックス注射について詳しく解説していきます。
ボトックスによるワキガの治療
塩化アルミニウムの単純塗布あるいはODT療法を行っても、ワキガが続く場合にはボトックスを使います。ボトックスには汗の分泌を増やす神経伝達物質アセチルコリンを抑制し、汗がでること自体を止めてしまいます。効果は半年程度ですが、ワキガが気になる期間は春先から秋までであることを考えると年に1回か2回治療すればよいことになります。
ボトックスでワキガの治療を行う場合の費用
左右のワキにボトックスを投与する場合、1回の施術で100,000円ほどかかります。ボトックスは注射によって投与し、使用する針はとても細くなっています。そのため、施術中による痛みや腫れなどが少なく済みます。
ボトックスを注入した後は、体内に成分が吸収されるまで4カ月から6カ月ほどの期間が必要です。そのため、ボトックス注射でワキガの治療を行いたい場合には、汗をかきやすくなる夏になる前に治療を受けるようにしましょう。