多汗症に効果があるボトックス注射で起こる副作用について
公開日:2016/09/09 / 最終更新日:2020/12/21
この記事の目次
- ボトックス注射の副作用ってどんなものがあるの?
- ボトックスが多汗症の治療に効果がある理由
- ボトックス注射の効果期間
- ボトックス注射で起こる副作用
ボトックス注射の副作用ってどんなものがあるの?
ボトックス注射といえば、しわとりのイメージがありますが、脇や足裏、手に大量に汗をかく、多汗症の治療にも使われています。気になる汗を抑えるのに効果があるといわれているボトックス注射ですが、副作用について不安視もされています。
今回は、ボトックス注射の副作用について紹介します。
ボトックスが多汗症の治療に効果がある理由
汗は、全身にあるエクリン汗腺と脇など部分的にあるアポクリン汗腺の二つの汗腺からでます。汗の発汗を促すのはアセチルコリンという神経伝達物質です。ボトックスには、アセチルコリンの働きを抑える働きがあることから、多汗症の治療に効果があるといわれています。
ボトックス注射の効果期間
多汗症でボトックスを注射した場合に効果は数日で出ます。効果が持続する期間は、3カ月~4カ月といわれ、半年が経過するとほとんど効果はなくなります。
ボトックス注射で起こる副作用
多汗症患者の方にとっては検討してみたいボトックス注射ですが、いくつかの副作用の可能性はあります。これから治療を受ける方、または検討されているかたはしっかり覚えておきましょう。
痛み
ボトックス注射は注射針をさした時に生じる痛みだけではなく、薬が入ったときに痛みを感じることがあります。
注射後の内出血
ボトックス注射は、血管に針が当たることで内出血が起こす場合があります。内出血に関しては、一週間から二週間で消えることが一般的ですが、なかなか消えなかったり、痛みを伴ったりする場合は、医療機関に相談をしましょう。
代償性発汗
多汗症でボトックス注射をした場合に多く見られるのが、背中やお尻、お腹の部分に汗をかく代償性発汗です。脇や足裏、手などにボトックス注射をしたことで、体の違う部分で発汗量が増える症状のことをいいます。代償性発汗もボトックス注射した直後に起こることが多く、通常は数日で収まりますが、なかなか治らない場合は医療機関へ相談しましょう。
アレルギー
ボトックス注射は、ボツリヌス菌の毒素を注射するものなので、ごくまれに皮膚のかゆみや発疹、体調不良を起こす場合があります。アナフィキラシーショックを起こす場合もあるので、アレルギー体質の人は、施術の前にカウンセリングをすることをお勧めします。
抗体ができる
ボトックス注射を受け続けると、体にボトックスの抗体ができて効果が薄れてしまう場合があります。 しかし、最近のボトックス(アラガン社製ボトックス)は抗体ができることはほとんどないよう改善されているため、何度受けても適切な効果が得られるようになりました。ボトックス注射を受ける際は事前に製剤を確認することをお勧めします。