夏の汗でアトピーが悪化する? 痒みが発生するメカニズムと対策方法
公開日:2019/06/28 / 最終更新日:2022/05/20
夏の汗でアトピー性皮膚炎が悪化するメカニズム
アトピー性皮膚炎の方の肌はもともと、保湿因子やセラミドなどが少ないため、バリア機能が低く、外部刺激に弱いという特徴があります。その状態で汗をかくと、汗に含まれるナトリウムや、汗に吸着したほこり(アレルゲン)などの刺激で、痒みを感じやすくなるのです。その痒みに負けて肌を掻きむしると、さらにバリア機能が低下し、症状が悪化する危険性があります。
汗からアトピー肌を守る夏の対策方法
汗をかいたら早めに落とす
汗をかいたまま放置していると、塩分やほこりなどの影響で肌が痒くなってしまいます。汗をかいた日はなるべく早めに入浴し、汗を落とすようにしましょう。
ただし洗浄力が強い石鹸やシャンプーを使うと、今度は乾燥による悪化を招いてしまいます。洗浄力が穏やかなものを使って、肌をこすらずにやさしく落としましょう。
夏でも保湿を怠らない
夏は冬や春より肌の乾燥を感じにくい季節ですが、入浴後は水分が蒸発しやすくなっています。放置していると即時に乾燥してしまうので、夏でも入浴後は早めに保湿剤を塗りましょう。肌に水分が残っているうちに塗ることが重要です。
汗をこまめに拭き取る
外出先で汗をかいた場合は、汗をこまめに拭き取ることで痒みを防ぐことができます。清潔なタオルを水で濡らし、固く絞ったもので拭き取りましょう。
ただし汗をかいた後は、肌表面の角質がふやけて剥がれやすくなっています。肌をこすらずに、やさしく拭き取ることがポイントです。拭き取った後は、保湿剤を塗って乾燥を防ぎましょう。
肌を掻きむしらない工夫をする
どんなに汗の対策をしても、痒みが現れやすいのがアトピー肌の特徴です。痒みが出たときに掻きむしらない対策も、あらかじめ立てておきましょう。
たとえば爪を短く切ったり、痒みが出たときに一時的に冷やしたりすると効果的です。ただし肌を冷やしすぎると血行不良による悪化を招くことがあるので、痒みが収まったら止めましょう。
肌を刺激しない
肌を刺激するとバリア機能が低下し、症状が悪化しやすくなります。肌を掻きむしらないよう注意するのはもちろんのこと、ゴワつきがあって肌に刺激が加わるような衣類や下着も避けましょう。肌触りのいい衣類を選ぶことが大切です。
また、スキンケア中に肌をゴシゴシと擦ることも刺激になるため、やさしく丁寧な力加減で行いましょう。
夏の汗による痒みは、大きなストレスになります。アトピー性皮膚炎の症状が悪化する前に、なるべくこまめな汗対策を行うようにしましょう。