ツヤツヤ美肌に欠かせない!?肌の善玉菌について
公開日:2016/09/30 / 最終更新日:2019/08/19
「菌」と聞くと、「風邪や食中毒の原因になるワルモノ!」というイメージが強いですが、身体に悪いものばかりではありません。
私たちの身体の中には、100兆もの細菌が棲みついていて私たちと共存しています。これらの細菌は「常在菌」と呼ばれ、その数が最も多いのは腸の中。乳酸菌などの「善玉菌」と大腸菌などの「悪玉菌」がいるということは馴染みですよね。
実はこの常在菌、肌にも存在していることはご存じですか?しかも、肌の常在菌にも善玉菌がいて、美肌づくりに欠かせない存在なのだとか!そんな「皮膚常在菌」について、美容皮膚科シロノクリニック恵比寿院 大野由美医師がお伝えします。
皮膚常在菌ってどんなもの?
皮膚常在菌の種類や数は人によって異なりますが、おおむね10種類、約1兆個程度の菌が存在していると言われています。
皮膚常在菌にも、肌にとって良い働きをする善玉菌と、肌トラブルの原因になる悪玉菌があります。と言っても、常在菌の多くは、普段は肌にとって無害なものです。例えばニキビの原因となることで有名な「アクネ菌」は普段は悪さをしないのですが、ストレスやホルモンバランスの乱れなどで皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の中で繁殖してニキビができてしまいます。
肌の善玉菌と悪玉菌
皮膚常在菌の中で代表的な善玉菌は、「表皮ブドウ球菌」です。表皮ブドウ球菌は、汗や皮脂をエサとして分解し、天然のクリームを作ってくれます。つまり、ツヤツヤで健康的なお肌は、表皮ブドウ球菌が元気に働いている証拠なのです。
ところが、なんらかの要因で肌の常在菌のバランスが崩れ、表皮ブドウ球菌の数が減ってしまうと、悪玉菌の「黄色ブドウ球菌」などが増えてしまいます。表皮ブドウ球菌の分泌物は美肌をもたらしますが、黄色ブドウ球菌の分泌物は肌荒れなどを引き起こすことがわかっています。
善玉菌を育てるのが美肌のカギ!
美肌をキープするためには、表皮ブドウ球菌が活発に働ける肌状態を保つことが大切です。
表皮ブドウ球菌が生きやすい環境は弱酸性。アルカリ性に傾くと黄色ブドウ球菌が増えてしまいます。洗顔料など弱酸性が良いと言われるのはこのためです。必要以上に洗顔しすぎたり、ゴシゴシこすったり殺菌しすぎたりすると、善玉菌である表皮ブドウ球菌が減ってしまうので注意しましょう。
また、適度な運動をして汗をかいたり、質の良い睡眠やバランスの良い食事も大切です。こうした「肌に良い」と言いわれることは、実は肌の善玉菌を育てるためにとても有効なのです。
肌の善玉菌を育てて、ツヤツヤ美肌をキープしましょう!