意外と怖い……「猫のひっかき傷」のリスクと悪化を防ぐケア方法
公開日:2018/09/10 / 最終更新日:2022/06/08
「飼い猫や野良猫にひっかかれて傷ができてしまった……」猫が好きな方であれば、このような経験をしたことはあるでしょう。猫の小さな爪でひっかかれると小さな傷が残りますが、ただのかすり傷程度だと思って甘く見ていると、傷口がなかなか治らず、腫れたり膿んでしまったりすることがあります。
猫のひっかき傷を悪化させないためにも、ケア方法について学んでおきましょう。
猫のひっかき傷が治らない原因とは?
「猫のひっかき傷がなかなか治らない」「症状が悪化した」という場合は“猫ひっかき病”を発症している可能性があります。
猫ひっかき病とは、猫が持つバルトネラ菌によって人間が発症する感染症のこと。人が猫の爪や口内に存在するバルトネラ菌に感染することで、傷が腫れたり化膿してしまったりするのです。
この猫ひっかき病が進行すると、傷付近のリンパ節が腫れ上がって発熱を伴うことがあり、さらに重症化すると、熱膜炎や肝機能障害を引き起こす場合もあります。とくに、免疫力が低い子どもやお年寄り、糖尿病や肝硬変などにかかっている方は重症化しやすいため注意が必要です。
猫のひっかき傷ができたときのケア方法
STEP1. 傷口を流水で洗う
猫にひっかかれた場合、まずは傷口を流水で洗い流しましょう。付着した菌を流すように、やや強めの水圧で念入りに洗うことが大切です。このとき、ひっかき傷から出血がある場合はすぐに止血せずに、少し血を流出させるのがポイントです。この際に流れる血には殺菌作用があるため、感染症の予防につながります。
ただし、大量の出血がある場合は自己判断をせずに、早急に病院へ行きましょう。
STEP2. 消毒する
オキシドールなどを使用し、傷口を消毒します。傷を消毒せずにモイストヒーリングを行う治療法が一般的になっていますが、それは感染の疑いのない傷や火傷に有効な処置です。感染の疑いがある猫のひっかき傷には、消毒を行ってください。
STEP3. 殺菌作用のある塗り薬を塗る
洗浄・消毒が済んだあとは、殺菌作用のある塗り薬を塗ります。この際に使用するのは、傷口に塗る一般的な薬を選んでください。
また、傷が衣類などと接触して気になるという場合には、傷の上から普通の絆創膏などを貼っておきましょう。
不安な場合、傷が治りにくい場合は病院へ
セルフケアだけでは不安なときや傷がなかなか治らないという場合は、早めに病院へ行き猫にひっかかれたと伝え、適切な治療を行ってもらうことが大切です。
また、セルフケアをしたあとに痛みや腫れ、発熱などの症状が出てきた場合も、早急に病院へ行きましょう。
猫ひっかき病を引き起こすバルトネラ菌は猫の約1割が保菌していて、とくに子猫に多いと言われています。可愛い猫を見ると、つい手が伸びてしまいますが、極力ひっかかれないように注意し、万が一傷ができてしまったときは、適切な治療を行って感染を防ぎましょう。